冷戦時代のチェス大会を背景に、恋愛と政治の駆け引きを描いたロンドンのミュージカル「チェス」を観に行ってきました。
ジャーニーには「オペラ」だと書いてありましたが、公式には「ミュージカル」とあります。それも納得、ミュージカルとオペラの両方の要素を感じる面白い作品でした!
この記事は、ミュージカルCHESSの大まかなあらすじと観た感想、座席の考察と、ロンドン最大規模の劇場ロンドン・コロシアムについてです。
Table of Contents
ミュージカル「チェス」の大まかなあらすじ
CHESSは、「マンマ・ミーア!」で有名な、スウェーデン人4人のグループ「ABBA」によるミュージカル。
1986年にロンドンで初演されて以来大人気となり、現在に至るまで世界中で上演されています。
イギリスでは、2010年のイギリスツアー以来8年ぶり。
English National Opera主催、London Coliseumにて上演中(2018年6月2日まで)。
CHESS 第一幕
時は冷戦時代。チェスの現チャンピオン・アメリカ人のフレディと、挑戦者・ソ連のアナトリーがイタリアで行われる世界チェス大会で対戦します。
自信満々でCMにも引っ張りだこのフレディは、セコンド(試合における介添人)として彼のハンガリー人の恋人フローレンスを。対するソ連代表アナトリーは、セコンドにKGB(ソ連邦国家保安委員会)のモロコフを連れていきます。
マスコミは、この対戦を冷戦の代替戦争だとして、「アメリカVSソ連の戦いだ」と大きく取り上げ、国の重さまでを背負わされた2人はプレッシャーに苦しむことに。
更なる打撃をフレディに与えようと、モロコフはフレディの恋人フローレンスを誘惑するようにアナトリーに持ち掛けます。
あろうことか、フレディの感情の起伏の激しさに参っていたフローレンスは、昔自分の父親を殺したソ連に属する男アナトリーに次第に惹かれていくように。
アナトリー自身もまた、妻子がソ連で待っている身でありながら、いつしかフローレンスに本気で魅了されてしまうのでした。
ENO HPより
チェスの試合は、アナトリーの勝利。
アナトリーとフローレンスは、国を捨てイギリスに移住し、2人でやっていくことを決意します。
CHESS 第二幕
それから一年後。
今年の世界選手権はタイのバンコクで開催。
前チャンピオンのフレディはチェス選手を引退し、解説者に転身していました。
フレディによるテレビの生取材を受けていたチャンピオン・アナトリーの前に、一年前セコンドを務めたKGB(ソ連国家保安委員会)のモロコフが、なんとアナトリーの奥さんを連れて(!)現れます。
アナトリーは激高し、番組を途中で退場。テレビを観ていた恋人のフローレンスもパニックに陥り、アナトリーを責め立てます。
さらにKGBのモロコフは、フローレンスの父親が実は生きているとアナトリーに伝え、アナトリーが試合に負けてソ連に戻ることと引き換えに、フローレンスの父親を解放するという条件を持ち出してきたのです。
政治と恋愛の駆け引きがうごめく中で、フローレンスとアナトリーの導き出す答えは・・。
チェス太の主観に基づく感想
「チェス」は歌劇です。基本的な事で大変申し訳ないのですが、「セリフを歌で全部表現されると、何言ってるか聞き取れない~!」というのが大きかった・・。歌じゃなく普通に喋ってもらえると分かりやすいのですが、チェスは歌によるセリフが多かったのでした・・。役者さんの歌唱力(特にアナトリーの奥さん)には心打たれるものがあったのですが・・。
感想以前の問題ですみません!
ENO HPより
そして、ソ連で起こった重大な出来事や有名人が、チェス試合中に映像で映し出されるのですが(この演出はカッコよかった)、80年代生まれのチェス太には知らないような事も多く・・、少し年齢が上の方の方が、昔を懐かしみながら楽しまれている感じがしました。逆にチェス太はそのシーンで意識が飛びそうになることも・・。
ですが、休憩を挟んでの第2幕は恋愛の要素が大きくなってきたため、分かりやすく面白かったです。
恋人と2人異国の地に住み、愛し合っているアナトリーですが、遠方のソ連では、子どもがパパに会いたがり母親がなだめている・・とかね。
フレディ(アメリカ人)の悲しく辛い過去や、フローレンスが初めて恋人のアナトリーに「愛してる」と言ってもらえた時の嬉しそうな表情・歌など、第二幕の方がそれぞれの人物の感情が大きく伝わってきます。
English National Opera 主催のミュージカルだけあり、オペラ要素は強いです。
舞台後部でのオーケストラによる生演奏が、素晴らしかった!
ミュージカル的要素である、タイの異国情緒あふれる演出と踊りも心が躍りました。
ENO HP より
PLAYBILLより
タイは夜の商売のイメージも強いのですね。半ば下着姿のセクシーギャルがたくさん出て来て、ハードなダンスを踊っていました。
ミュージカルを鑑賞する座席
チェス太の鑑賞した席は、アッパー・サークル(£65)中央列でした。(1階がストール、2階がグランド・サークル、3階がアッパー・サークル、4階がバルコニー。)
theatre tickets directより
今までストールからしか観た事がなかったので、アッパー・サークルから観る役者さん達の演技は、それはそれは小さく感じて・・、座席の場所は大事だと痛感した次第であります。
舞台後方のオーケストラは、アッパー・サークルからはかなりよく見えるので、音楽を楽しむという意味では良いですが。
※あくまでストールの最前列がお気に入り(表情がよく見えて臨場感がある!そして安い!)のチェス太の感想なので、どの席がお好みかは本当に人によると思います。
最大規模の劇場、ロンドン・コロシアム
チェスの上演されているLondon Coliseumは、ミュージカルの地レスタースクエアにある劇場。イングリッシュナショナルオペラの本拠地です。
1904年12月24日にオープン。客席数は2359席を誇り、数あるロンドンの劇場の中でも最大規模。
当時、人々のための最も素晴らしい音楽ホールを目指して造られたこの建物は「テンターテインメントの宮殿」と評され、今日まで「民衆の宮殿」として親しまれている。
エドワード王朝時代の外観は荘厳そのもの、内装は2004年に最新設備に改装されている。
london.xyzより
夜19:30開演も、まだ明るい5月のロンドン。
劇場内にはバーの他に、本格的なレストランも。もちろん、ミュージカル休憩中の定番、アイスクリームの小売りもあります。
舞台全面が黒と白のチェス盤に見立てられています。
以上、できればソヴィエト連邦とアメリカの冷戦がちゃんと記憶にある方が観劇されるとより楽しめるかなと思った、ミュージカル「チェス」のレポートでした!
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※金曜にはロンドンコロシアムのガイドツアーも開催されています。(要予約)
ロンドン・コロシアム近く(徒歩3分)の美術館、ナショナルギャラリーも併せてどうぞ↓↓↓
London Coliseum
St. Martin’s Lane, London. WC2N 4ES
最寄り駅はLeicester Squareと Charing Cross。ちょうど両駅の間に位置しますが、それぞれの駅から徒歩3分です。
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